vendredi 28 mars 2014

苺のショートケーキと昭和時代

そろそろ苺の旬な季節も終わりに近づいてきました。
フランスの苺はとてもおいしいですが野苺という感じで小粒です。
日本の苺、あまおうなど、堂々とした見事な大きさで
苺の横綱達に頼もしく感じます。
日本で苺を使ったケーキの代表と言えば苺のショートケーキですね。


苺のショートケーキはヨーロッパに行ってもアメリカに行っても見つかりません。
日本は昭和生まれのケーキです。
子供の頃、父が夕方、時々苺のショートやシュークリーム、エクレア、アップルパイ
の一杯入ったケーキ箱を持って帰ってきました。 
そのケーキと紅茶の一時が懐かしく感じられます。 
誕生日のケーキもいつも苺ショートのホールピースだったなぁ。
日本人にとって思い出の多いケーキなのでは、と思います。
そう言えば、レストランで食後のデザートの選択として昔からあるのが
苺のパフェとチョコレートパフェ。 これも昭和生まれでしょう。
父は今で言うスイーツ男子だったので、苺のショートケーキや祖母の作る
プリンが大好きで、レストランでも食後は必ずチョコレートパフェを食べて
いたのを思い出します。
昭和生まれのついでに、私が永遠に好きな飲み物にカルピスがあります。
水玉模様がレトロでいいなぁ。 特にいちご味がお気に入りです。
もう1つおまけに、昭和のスイーツに関して、
女性から男性にチョコをあげるバレンタインデーも昭和生まれの
日本オリジナルな習慣ですね。
昭和ノ・ス・タ・ル・ジー・・・


A tes souhaits さんの苺ショートが美味しそうだったので買ってきました。
しかし、素朴な疑問なのですが、なぜカタカナでアテスウェイと表記されている
のでしょうかね? ヨープレイも同様ですが、フレンチで ait の綴りは
「エ」と発音し、最後のイは不要です。 よくアメリカの方がフランス語を
話す時の強い英語なまりの響きのようです。(余計なお世話ですみません!)
ちなみに、隣でくしゃみをしていたらアテスエ!と言ってあげます。
「いいことがありますように」的な意味合いです。
英語だとBless you!(ブレシュー)、イタリア語だとSalute!(サルーテ)です。
それで、苺のショートケーキに戻りますが、
将来ホームパティシエになったら、ぜひとも、あまおうと濃厚な生クリームを
ふんだんに使い、卵の黄身が優しいふわっふわっのスポンジを3段レアにした
苺のショートケーキを作りた~い!!!

vendredi 21 mars 2014

フレジエ

3月の間は何と言っても苺の季節。
毎年春の訪れを告げてくれる愛らしい果物。
フランスのパティスリで苺を使ったものと言えば、タルト・オ・フレーズ
(苺タルト)とフレジエです。 これには磁石にひきつけられるように
抵抗しがたい魅力が・・・


フランスのパティスリが恋しくなると、高いとはいえ、この方達に強い引力で
引き寄せられてしまいます。
なんだか眺めているうちにドレスを着たお嬢様達がいるような気がしてきます。


フランスでよく見るフレジエは長方形ですが、楕円形をしたフレジエは
ラデュレらしくとても華やかです。
でも「いつものフレジエ」を思い出す伝統的な構成の中身。
シロップをかけてしっとりさせた(アンビベと言います)ジェノワーズ
(スポンジのことです)の間に断面にカットした苺とクレーム・ムースリーヌ
が挟まれます。 クレーム・ムースリーヌはクレーム・パティシエール
(カスタードクリーム)にバターが加わったものです。 ついでですが、
シャンティイ(生クリーム)が加わったものはクレーム・ディプロマットと呼びます。
そしてトップにピンク色の薄いアーモンドペーストがのっています。


エルメのフレジエも高さがあって豪華です。
こちらのジェノワーズにはアーモンドが入っているようです。
そしてピスタシオのクレーム・ムースリーヌ。
トップはイタリアンメレンゲです。
そう、メレンゲにもイタリアンとフレンチがあるんですよ。
泡立てた卵の白身に熱いシロップを入れるものがイタリアンで
粉砂糖を入れるものがフレンチです。
ラデュレもエルメもムースリーヌにヴァニラビーンズが入っていて
苺の香りを一層あま~くしています。
甘酸っぱ~い早春の苺ちゃん・・・


シシリー・メアリー・バーカーの愛くるしい苺のフェアリーちゃん!
可愛すぎます!!
ベリー類って可愛いくてビタミンたっぷりでウキウキしてきますね!

dimanche 16 mars 2014

月の光

今日は一日晴れたので満月が煌々と輝いています。
都会で毎日せかせか生活していると、いつの間にか夜空を見上げて
月を眺める心のゆとりを忘れているのに気がつきます。
小さい頃は南側に広く開いた縁側で祖父母とお月見をしたり、
庭の月見草が月灯りの下、まるで燈がぽーっと灯ったように
あちこちに咲いているのを眺めたりしたものでした。
私の好きな画家の一人にシャガールがいますが、月の照る夜空を
モチーフにした絵をたくさん描いています。

Marc Chagall (1887-1985) bouquet de violettes

青は寒色ですが、シャガールの青は透明感があり絵の中に暖かさを
感じます。
青年時代ロシアから出てきてパリで人生の前半を過ごした後、アメリカへの
亡命を経て晩年は南フランスに永住します。 この絵はその晩年の頃の絵です。
背景には南フランスに多く点在する鷹巣村が描かれています。
ニースに行ったらぜひシャガール美術館とマティスの美術館を訪れてくださいね。
フランスにいた時は頻繁にプロバンスやコートダジュールに降りて行きました。
パリと並んで私の心の中の故郷となっています。
もう一枚月夜の絵をどうぞ。

violoniste blue

こちらはシャガールがアメリカからフランスに戻った頃の絵です。
故郷のロシアを回想しながら描いたのでしょうか。
月を眺めながらゆったりバイオリンやピアノの曲を聴くなんてのも
いいですね。 私も時々弾くドビュッシーの「月の光」を
共有したく思います。

Debussy Claire de lune

では、ボン・ニュイ! 満月の下で良い夢をみましょう・・・

dimanche 9 mars 2014

ロココなティータイム

パリにいた時はシテ島というパリ発祥の地で、セーヌ川の中州にあり、
パリのおへそに位置する所に住んでいたので、メトロさえ乗らないであちこち
歩いて行ったものでした。 マレ地区のマリアージュフレールのお店も
散歩距離だったので、時々お紅茶を買いに行きました。 
一時はラプサンスションの独特な燻製の香りにはまったこともありました。
で、最近またフレンチフレーバードティーのマイブームが復活しております。
マリフレ(!)もいいけど、ラデュレのお紅茶もなかなかいいなぁ。
今日のティータイムはテ・マリー・アントワネットにしよ~っと!
などと、その日によっていろいろ変えたりしています。


厚紙でできた円筒形の箱のふたをあけると、ふわ~っとジャスミンとバラの
混ざった華やかな香りがします。 茶葉にバラの花びらやオレンジの皮が
入っています。 
ポプリサシェみたいに布袋に入れて部屋の片隅に置いてみたくなります。
ラデュレのパティスリの他にどんなスイーツと相性がいいのかなぁ~?


そう、シャルボネルエウォーカーのトリュフと相性よし!です。
ちょっとロココなティータイムはいかがでしょう?
人間生活をしていますと、いろいろ大変なことが多いので、時には優雅な
ティータイムで癒されるのもいいかな・・・


ピンクシャンパーニュのトリュフだなんて素敵な発想ですね!
ふたを開けるとミルキーな苺のとってもあま~い香り・・・
お酒のほろ苦さが甘みをひきしめています。 
イギリスの方には申し訳ありませんが、前、イギリスにショートステイ
した時、正直言ってイギリスは料理はあまり期待しない方がいいと
思いました。
でも、イギリスの紅茶やサンドイッチ、バターキャラメル、ショートブレッド
という厚いバタークッキーはとっても美味しいです。 そして、イギリスの
チョコレートにはこんな美味なものもあるのですね。 意外な発見。
また、久しぶりに英国に行きたくなりました・・・