dimanche 22 mars 2015

春の色

ここしばらく、電車や新聞の広告に「フランス人は10着しか服をもたない」
という本のタイトルをよく見かけます。
拙者の場合は、「10着も服は要らない」と思える今日この頃。
この服一着で何本バラの苗が買えるか?なんて、つい考えてしまいます。
所詮、服はよれよれになれば早晩捨てられるモノです。
だけど!植物は生き物です!!(唐突に・・・)
服には執着心ありませんが、バラにはあります・・・
何度、折れそうになったり、落ち込んだりする私の心を励ましてくれ
ウキウキ気分にしてくれたことか・・・
イタリア語で言えばティラミスです!?
バラさん、ありがとね! バラ苗生産に携わる皆さんメルシー!
で、今回も、しばしバラが登場せずならば、好きなフランスの画家の個展とせむ。

Henri Matisse (1869-1954) Citrons sur fond rose fleurdelise 1943

明るい春色! この絵はマティスが何と74歳の時に描いた絵。
年を重ねると共に、どんどん若返って行き、童心に戻って行くようです。

Tabac royale 1943

マティスはレモンやアネモネが好きだったようですね。 私もレモン好き!
そのうちレモンの木でも買いたい、と密かにチェックしてます。
それにしても、バラと同じで、明るい色合いを見ていると気持ちも明るくなりますね。

Robe violette et anemones 1937

どの絵も、何か小説の1場面でも見ているよう。
ミステリアスなストーリーでも展開しそう・・・
マティスの絵を眺めていると、造形的なインスピレーションが沢山湧いてきます。

Chapelle du rosaire, Sanit-Paul-de-Vence

ニースに行かれたら近郊でお勧めなのが、このとても小さなマティスの教会がある村。
真っ白なつやつやの床タイルに青、緑、黄色の光が落ちる。
かざした手まで、これらの色に染まります。 とてもピュアな空間です。

ピュアな絵画にピュアな音楽を聴きたくなってきました。


Mozart K.537 Piano Concerto #26 in D 'Coronation' 2nd mov. Larghetto

モザール様です。 
怒涛のような短き人生の中の平穏な一時・・・。
では、またね! ごきげんよう!

samedi 14 mars 2015

コート・ダジュールの色合い

バラの芽吹きがだんだん若葉へと変化しだしました。
真冬に移植した苗達もみんな順調に育ってます。
バラさんは植えてから2、3年間がとっても大事だとつくづく感じます。
その期間をほっとくと細くて樹勢が悪く、樹形も悪いままなってしまいます。
で、バラさんが5月に咲きだすのにスタンバっている間、また、好きな
画家の個展でも開きませふ。 去年はバラが咲いてない期間、パティスリー
の話題がマイブームでしたが、おかげでデブリンこになったので今年は
昔よく鑑賞したフランス絵画リヴァイヴァルでいってます。

Pierre Bonnard (1867-1947) la salle à manger de campagne 1913

前回のヴュイヤールと一緒に初期にナビ派を結成したボナール。 
色合いは後にかなり違ってきます。
これはまさしく南フランスにいて生まれる色合いです。
更に言うとコート・ダジュール。
南フランスでもプロヴァンスに居を構えたルノワールやセザンヌ、ゴッホ。
そしてコート・ダジュールに居を構えたシャガール、マティス、ボナール。
コート・ダジュールはよりイタリアンな色合いがはいってきます。
ボナールはカンヌから内陸に行ったカネという遠くに海が見えるところに定住しました。

fenêtre 1925

デュフィの絵もそうですが、リアルな写真を見るよりも、コートダジュールの
空気や湿度の低い爽やかな気候や光と海風が伝わってきます。

salle à manger sur le jardin 1931

ヨーロッパ地中海地方は、光の具合で日本より、やや影に青みというか紫みを感じます。
スカッとして、透明感があり、光を含んだ、かつアースカラーからくる柔らかな色彩。
コートダジュールにはトロピカルな雰囲気の風光明美な庭園がいくつかあるんですよ。

grande salle à manger sur le jardin 1934

ダイニングから海が見えるのって素敵ですね。
そして、窓を開けると、テラスの向こうに素敵なお庭が広がっているんだよね~。
そんなところで朝、カフェオレでも飲みながら、ぼーっと海を眺めていたい・・・
そしてその庭でバラを育てる、なんてね。
フランスのバラを見ていても、この南フランスの色合いを感じることができますよ。
デルバールのモリナールも今年また沢山咲いてくれるといいなぁ。

jeudi 5 mars 2015

春の足音

桃の節句も終わり、春もすぐそこまで来ています。
雨が降った翌日、蕾だった紅梅が一気に開花しました。


やっぱり、梅や桃、桜は日本の早春、春の花らしくて大好きです。
バラさんも休眠から目を覚まし、だいぶ芽吹いてきました。
冬から春に変わる季節っていいもんですね。
今日はそんな雰囲気を感じるインテリアを描いた画家の個展でも開いてみませう。

Edouard Vuillard ( 1868-1940 ) Madame Vuillard lisant

花柄の壁と人物の着ている服や家具の柄が迷彩のように一体になった絵が沢山あります。
当時、ジャポニズムに結構感化された感じがする構図や影をつけない描き方が
見受けられます。

L’interieur 1904

何となく、当時の流行りのインテリアも垣間見られるようで楽しいです。
フランスの花柄って、小花の下手するとコチャコチャ感がなく、華やぎがあって素敵
なんですよ。 ステンドグラスとかシャンデリアのクリスタル感もあっていいな。
暖炉の上の鏡は金の縁取りだし、さり気ないキラキラ感。
ヨーロッパの家は概して天井が高いので、そのプロポーションに合わせて
モールディングも高さと出幅と凹凸があり立派なもんです。

voiles de genes boudoir 1931

この頃になってくると、若い頃のようなフラットな描き方でもなくなってきて
不思議・・・。
でもやっぱりフェミニンなお部屋ですね。 ブドワーというのは寝室とサロンの間に
ある書き物や読書などするようなちょっとしたお部屋。 
昔からあるちょっとリッチなお宅にあります。
テーブルランプの暖かい灯が部屋に広がった感じがいいですね。

それでは、今の時期に何となくマッチする曲でも聴きませう。

Debussy Preludes 1 La fille aux cheveux de lin Piano: Krystian Zimerman

印象派とその周辺の画家達が季節の移ろい、空気感や光、情景を色彩で表現
したとすると、ドビュッシーは音で詩情あふれる表現をしていて、とても魅了されます。

それにしても、植物好きな?バラ女子(マンホールやラーメン女子と同)としては、
これから花咲く季節がやってくると思うとワクワクしてくる・・・
バラさん達!あと2カ月弱で出番だよ!