mercredi 28 mai 2014

ロワールの古城を思い出すバラ

フランスの整形式庭園と言えば、そばに古城や古い館(パリのマレ地区にたくさん
ある)が佇む姿が一緒に思い浮かんできます。
フランスのお城の建築と庭園の建築、というか、造園設計は対になっていました。
初めてフランスに旅行される方にはロワール川沿いの古城巡りはお勧めです。

chtâteaux de la Loire -Villandry

そのひとつ、お庭で有名なヴィランドリー城。 
このツゲの類を刈り込んだ幾何学形の区角をパルテールと言います。 
パルテールは僧院の中庭にも見られます。
で、バラの名前にはいろいろ気にかかる名前が付いていることが多くって・・・
今のところ知っている限り、ロワール川沿いのお城の名前がついているバラが2つ
ありまして。 1つはオールドローズのコンテドゥシャンボール。 
もう1つはデルバールのダムドゥシュノンソー。 
両方共モンプティジャルダンに植えてあります。
シャンボール城が男性的な勇壮な感じのするお城だとすると、
シュノンソー城は女性的な優雅さを感じるお城です。

Dame de Chenonceau
だいぶ前シュノンソー城に行ったきりなので何故なのかよく思い出せないんですが、
イメージに残るお花の色としては温かみのある少しオレンジ味の入ったピンク。
まさにこんな雰囲気。 だんだん開いて行く様子をアップしてみます。




上は完全に開いて終わりの頃の姿。
アブラハム・ダービーと同じく色合いにやや変化があり、ピンクが優勢に出たり、
オレンジ味が優勢に出たりするものがあります。

ところで、後残り数本植えるバラをどれにしようか、実際見てきた方が良いかと
思って、初の京成バラ園に行ってきました。
今まで、マイ愛読書、バラ図鑑で見て気に行ったものをネットで注文してました
もので、なんと、買う前に実物を見たことがほとんどありませんでした。


蒸し暑かったので、園内に到着したとたん、いただきました。
過激な旨さ!(ラーメンか?)のローズアイスクリーム! おいしすぎる!!
ちょっと高いけど・・・。 
後ろに写っているバラはダブルノックアウトと書いてありました。
もう、京成バラ園のローズアイスクリームでトリプルノックアウトです!!!
何しに行ったのかわからない感じですが・・・
でも、バラを代表するダマスク香の他に、図鑑に出てくる香りとして、初めて
ミルラ香がどんなものか、イングリッシュローズエリアで体験してきました。
アニスとか八角の香りに似てますね。
ではまた、ごきげんよう。

mardi 20 mai 2014

南仏の町グラースを思い出すバラ

ヨーロッパの庭園史を築いてきたリーダー国のフランスとイギリス。 
バラの種類も張り合っています。 作出された数のランキングでいくと、
やっぱりフランスがトップで次にイギリスかな?(誰か数えてください!)
ヴェルサイユ庭園に代表されるように、かつて、フランス式庭園は幾何学的、
シンメトリーで、見通しがあり、刺繍を施したようなデザインに計画されました。
一方、イギリス庭園は整形式庭園に対して、人間の手を加えながらも、自然な
風景美を形成するよう造形されました。
それで、自分は緑のボーダーに沿って花咲く小さなイングリッシュガーデンに
したいな、と「趣味の園芸」(NHK?)をしております。 あと数本(?)バラを
植えた後、コンパニオンプランツを植えて、芝生も植えて・・・先は長いな。
先駆けて咲きだしたイングリッシュローズも先週から散りだし、新たな蕾を準備
しだしている一方で、デルバールのバラが咲きだしました。

La rose de Molinard
ローズドゥモリナール。 その名のとおり、南フランスの香水の町、グラースの
フラゴナール社と片を並べる香水会社の名前がついているバラ。 
ボンボン(仏語でキャンディー)のような甘~い芳しさ。
デルバールのバラを見ていると、やっぱりイングリッシュローズとはまたちょっと
違う、フランスの色合いだなぁと感じます。 
地中海式気候でからっとした、南フランスの真っ青な空に映える、発色のいい
澄んだ色合い。 
特にローズドゥモリナールのピンクはありそうで、ない色で大好きです。 
ラフランスなどソフトピンクのバラとよく合います。



照りのある濃い緑の葉とのコントラストが素晴らしいです。
ま、でも、十人十色でそれぞれ好みがありますからね。
南フランスの色合いはちょっと青みがかかった光を感じます。
乾いたそよ風がそよそよと吹いてきて・・・
グラースで買った水彩画のハガキ。 大切に持っています。

carte souvenir de Grasse

こんな色合いのパレットで庭を描きたいな・・・。

vendredi 16 mai 2014

エイブラハム

ここのところ気温が上がって、蕾の開花にアクセルがかかってきました。
キャスリンに続いてエイブラハム・リンカーン、でなくって、ダービーをアップします。

Abraham Darby
お花の色はクリームイエローとうすいサーモンピンク、橙、はだ色が混じり合った
色合いです。 ルビーグレープフルーツのイメージがします。
花径は結構大きく、花弁数も多いです。 ダマスク香がします。 なかなか元気な
子でどんどん大きな蕾をつけます。


そんなにいろいろ育てたわけでないので定かではありませんが、印象としては、
オースチン・ローズって結構育てやすい?
今植えてあるどのERも、あまりむずからないで、気立て良く、適度に面倒をみて
あげればスクスク育ってくれる子達という感じです。


日本と違い、一年で曇天の日が多く、晴れると水色の空が広がるイギリスやパリ、
フランス北部の柔らかい光に映えるバラは、明度の高い、淡くて澄んだパステル
カラーの色合いが多いです。 シャビーシックちゃんとかロココちゃんとかの色調。 
でも、淡い色ばかりを南仏や日本の真っ青な空の強い陽射しの下にもってくると、
全体に白っぽく、もやもやっとして、ぼやけた感じになりやすいので、パキッとした
濃い色を入れてメリハリをつけるのが好きです。
では、また、ごきげんよう。

mardi 13 mai 2014

キャスリン

気温がだいぶ上がってきて、バラの蕾が順々に開花しています。
まずはキャスリンからアップしましょう。

Catherine Morley
ふんわりと清らかで優しい姿のお嬢様。
どこかはかなく、繊細な美しさ。
陽の光に透ける薄い花弁がいくつも重なりあい、近くで眺めると
こんなにたくさん花弁をつけて咲いてくれてありがとう、と
そっと、ささやきたくなる感じです。


バラ百科の本には、バラの命名権を得た父親が18歳で世を去った娘の名前を
つけた、と書いてあります。
娘がバラの精となって毎年々こんな美しい姿で咲いてくれるなんて・・・
胸を打たれます。
身近な人をなくし、でも、花を咲かせる樹木となって、毎年その花が咲くたびに
微笑んで見守っていてくれているような・・・


バラって、いろいろデリケートで、面倒をみないとだめな樹木ですが、
やっぱり繊細な美しさに魅了されてやみません。

jeudi 8 mai 2014

バラが咲きだしました

パレードやキャスリン・モーレー、アブラハム・ダービーがいい感じに咲きだしました。
でも、今年は大雪がふったので、去年より全体に咲きだすのが遅れている
ようです。
どうしてかよくわからないけれど、近所の人がそう言ってました。
(バラさん達、雪にびびった??)
蕾はたくさんついているんだけど、蕾自体が丸々ふくらんでいる最中です。
なので来週あたり写真をアップしよ~っと。

Belle Jardinière juin - Eugène Grasset

再びグラセのベル・ジャルディニエールより。今月は JUIN、「6月」です。
えっ?6月?ボケ? いえ、ヨーロッパではバラは6月。 日本は徐々に
梅雨の時期に突入しますが、乾燥しているヨーロッパでは6月にバラが
見頃になってきます。

flower fairies - Cicely Mary Barker

そして、お部屋にC.M.バーカーのバラの妖精ちゃんの絵をかけました。
この絵を見ていると、なんともなごみ、優しい気持ちになります。
画家が愛しい、と思いながら真心をこめて描いているのがとてもよく
伝わってきます。 はだ色みのはいったベビーピンク。

Summer lady

これは、今年一番初めに咲いたサマーレディ。 高芯剣弁咲きで、カップ咲きや
ロゼット咲きの蕾がまん丸だとすると、こちらの蕾はかなり縦長の細いアーモンド
型です。 なぜか高芯の部分がクォーター咲きみたいな形になっています。
普段はちょうど、上のバラの妖精ちゃんのバラのような感じに咲きます。
童心あふれるバラの妖精ちゃんを想い浮かべながら、ショパンの曲でもシェア
したいと思います。


"Souvenir de Paganini" de Chopin
時々弾く曲です。 ショパンやモーツァルトには純真で優しいメロディーで一見
技巧的に簡単そうなものがありますが、これらをさらっと弾きこなしたら、
「君は熟成されたピアニストだ」と言えましょう。(私は未熟ですが)
では、また。

jeudi 1 mai 2014

サファイア色の輝き

とうとうバラのシーズンが開幕しようとしています。 
庭でどのバラが一番先に咲くかと思ったら一番古くからいるサマーレディーでした。 
冬も一番遅くまで咲いていましたので、パワーレディー(!)という名前に勝手に
改名しようかと。 しかも、正面からみると15cm、真横からみると12cmの
大きさに開花しました(結構でかい)。 
今週、蕾ちゃん達がどんどんふくらんで来週に向けてスタンバっている間に、
美しいインテリアの夢などでも馳せようかしら・・・
私にとって地中海はインスピレーションの源泉。 地中海を見渡すアマルフィの
ホテルルームは素敵だったなぁ・・・

una bellissima camera d' Amalfi
(写真は実際と同じきれいな色がでなかったので残念ですが)
インテリアのカラースキームはミルキーホワイト、ラヴェンダー系ブルーの
濃淡のバリエーション、そしてアクセントでゴールド。
ゴールドに縁取られた三方枠には手描きの絵の入ったラヴェンダーブルーの
両開き框扉。 そしてその扉を押してベッドルームに入って行くと・・・


(これも写真より実際の色の方がもっと素晴らしいのですが)
ベッドヘッドはサファイアのような深い色合いで艶やかな輝きのある布地が
布団貼り使いされています。 天井はヴォールト型で4方向のアーチが頂点で
交わっています。 
そして古い味わいがあり飴色をした手作り感のある木製家具。


ちょうどテラスの角にあるお部屋なので窓が2方向についています。
テラスドアの縦長のプロポーションと(天井高もありますが)鎧戸の組み合わせ。
これがたまらなく好きです。 鎧板の間から陽がもれてきて光を調正しています。
このような鎧戸をフランス語ではペルシエンヌと言います。 日差しの強い南仏、
イタリア、スペインの窓辺では重宝します。 また、鎧戸をしめると完璧な暗闇
となり、完璧な暗闇のほうがよく眠れると、よくヨーロッパの方はおっしゃいます。
それで部屋からテラスに出るとどんな景色だったかというと、


ベッドの足側の窓から出ると、アマルフィのリアス式の崖にへばりつく家々と海が
見渡せます。写真の左側は切れていますが、さらに急勾配に登っていっています。
そして、ベッドの横側の窓から出ると、


「も~っ!ここにずっといたいよ~っ!ここで死にます!」と叫びたくなる絶景が
270度広がっているのでした・・・
あっ!そう言えば既にナポリも見たし。Vedi Napoli e poi mori!
でも沢山植えてしまったバラ様達を放っておくわけにいかないわ・・・
ちなみに、このお部屋のバスルームはというと、淡~いラヴェンダーブルーと
ミルキーホワイトの2色使いで手作り感のある大判タイルを床と腰壁に貼ってあり
やはりお洒落でした。 
タイルや陶器は全て近くのヴィエトリ村で焼いたものを使っているようです。


ホテルのレストランでお茶した時の、ヴィエトリの陶器です。
素朴な可愛らしさと明るい色合いがチャーミング!