jeudi 26 mai 2016

家宝のバラ

思い起こしてみると、庭にバラを植えようと思って、初めてバラ苗を買ったところは
三越の屋上にあるチェルシーガーデンであった。
その時はサマーレディとラフランス、名前は不明になってしまったオールドローズを
買った。
あのオールドローズとっても繊細で好きだっんだけど、初めの頃って以外と
名前に無頓着なもんで、タグをすぐ捨ててしまったので、とうとうわからずじまい。
薄くて透明な桜色の花弁を沢山つけ、クォーターロゼット咲きで、枝は沢山の赤い
小さな繊毛だか棘だかに覆われていた。 バラ図鑑で探しても見つからない。
何度か移植してダメージを与えてしまい、何年後かに枯らしてしまった。
それからしばらくのブランクの後、ここ3~4年、趣味のバラ園芸がヒートアップして
いるわけだ。
ちなみに、その前にヒートアップした趣味は、ゴルフ。
ちょうど、遼君の活躍の報道がにぎやかだった間。
マイブームが過ぎ去った今、冷めた目でみると、ゴルフってなんて不経済な
スポーツなんだろう、と思う。 強い紫外線で日焼けがシミのもとになるし。
当時は月1回のラウンドを目標としていたが、春、秋各2回の年4回も行ければ、
上出来なんじゃないかと思える今日この頃。
そうそう、それで、話題をもとに戻すと、何年ぶりかで、つい最近、三越の屋上の
チェルシーガーデンに、ふらっふらっと、さまよいこんできてしまった。
この老舗デパートの屋上は昭和の香りが漂い、レトロで懐かしい感じ。 
ほどよい上品さもあり、好きな場所だ。
バラ園をひとまわりしたところで、気になるバラがあった。
有島様がデスクにお座りになっているお姿がそう遠くないところに見える辺りの
テーブルに置いてあるバラだった。
なんとも美しいピンク色。 澄んで発色よく、派手すぎず、大輪で花弁がぎっしり。
イングリッシュローズだと満開になると、ちょっとはたくとばさばさっと花弁が
落ちたりするが、とんとんとはたいてみても、一向に落ちる様子がない。
聞いたこともない名前のバラで図鑑でも見たことがなかった。
そして、思い切って、この苗を持って有島様のデスクまで行き、どんなバラなのか
尋ねてみた。
すると、「僕がアメリカの個人の育種家のところで見つけてきて、日本ではあまり
でまわっていない希少品種で、おそらくここでしか売っていないんじゃないかな」、
とのことであった。
これは何だか買って帰らないと後悔するような気がして、想定外のバラの
お買いものをすることになったのであった。

と言うわけで、前置きが長くなってしまいましたが、今日のバラさんに登場して
いただきましょう。
「御婦人!でていらっしゃいまし!」

Lady Heirloom
入口のところに置いておくと、これぞウエルカムローズとばかりに、
「いらっしゃいませ~」とお辞儀をしている姿に見える。


もっと近寄ると、「あんた達、一体何をのぞきこんでるの?」と聞いてみたくなる。
そして、ひょいっと持ち上げてみる。


薄い花弁が一杯! ずっしりしてます。 支える茎はほっそりしていますが。
葉っぱは明るい黄緑色。


モンプティジャルダンの一員のアラン・ティッチマーシュにちょっと似てなくもなく、
ひとまわり、ふたまわり大きくしたような。


この色ずるずると魅かれていってしまいます・・・。

ここでバラを愛好するロザリアンとして、散文を一発!

私にはお金がない。
財産もない。
宝石もない。
高級ブランド品もない。
ましてや、公費でセレブな生活をする地位もない。
(都民は怒っています。)
ないものを枚挙したら暇がない私。
でも、でも!
私には家宝がある!
御婦人「家宝」という名のバラが。
婦人画報みたいで紛らわしいが。
咲いては枯れ、枯れては咲くバラ。
人は裏切るが、バラは裏切らない。
(バラ依存症にならないよう注意しましょう。)
時々棘でさされるが、水をやると
いつも素直に優しく微笑んでくれる。
バラは私の心の財産、そして宝石。

レディーエアルームさんでした。
では、ここまで読んで下さった方、ありがとう。
Merci beaucoups!
それでは、またね! ごきげんよう!